車のヒーターの効きが悪い

冬にヒーターの効きが悪くなったときの原因の多くは・・

ヒータの効きが悪い?

 

「最近、ヒーターの効きが悪いような気がする」

 

「外は雪が降っているのにクルマの中が全然暖まらない」

 

 

冬の時期に、よりによってヒーターの効きが悪くなるのは本当に困りますよね。

 

しかも、そもそもヒーターのスイッチが入らないなど、完全に壊れているのなら修理に出すしかないけれど「ヒーターのスイッチは入るけど全然クルマの中が暖まらない」といった状態だと中途半端だから余計に参ってしまいます。

 

では、このように「ヒーターのスイッチは入るけど暖まらない」といった症状のときは何を疑えばいいのでしょう?

 

結論から言うと、こういう症状が起こる場合は “サーモスタット” という部品が壊れていることが多いです。

 

とくに、クルマのメーター類で「水温計」というものがありますが、この水温計の針が真ん中まで上がっていない(全体の1/3とか)ようなケースでは、原因がサーモスタットという可能性が高いですね。

 

サーモスタットとは?修理代は?

サーモスタット

エンジンは、エンジンの周りに冷却水を循環させて冷やす仕組みになっていて、この冷却水が熱くなったらラジエターに送られて冷却水自体を冷やして、またエンジンの周りに送られます。

 

サーモスタットとは、エンジンと、この “ラジエター” との間にある装置で、これがエンジンの温度管理の役割をしています。身近なところでいうと、(クルマ用とは構造が違いますが)こたつや電気トースターなどで温度が上がりすぎるのを抑えるために使われていますね。

 

ある一定の温度になると「カチッ」と鳴って明るさが落ちます(温度が落ちます)が、あのときの温度管理をしているのがサーモスタットです。

 

エンジンの温度が上がると、サーモスタットの弁が開いて冷却水をエンジンに送り、エンジンの温度が安定したらこの弁を閉じるという仕組みになっています。

 

エンジンの水温が上がらないのは、このサーモスタットの弁が開きっぱなしになっている可能性があります。

 

するとどうなるか?

 

サーモスタットが壊れて弁が開きっぱなしになると、エンジンが温まっていないのに、冷却水が送り続けられるのでエンジンが適温まで温まらず、結果としてヒーターの熱を供給できないというわけですね。

 

ヒーター

 

もちろん、サーモスタットが開きっぱなしだと、エンジンが水温を上げようと常に負荷が掛かった状態になるので、燃費も極端に落ちますし、エンジン自体にも良いことはありません。

 

逆に、サーモスタットが壊れていて、夏にこの弁が閉じっぱなしになると、オーバーヒートになってエンジンが深刻なダメージを負ってしまうことになります。

 

修理するにはどうするの?費用はどのくらい掛かるの?

 

水温計の針が半分にも届かなくて、しかもヒーターの効きがという悪い場合はやはり修理工場で見てもらいましょう。

 

修理費用も心配ですが、一般的な国産車であれば「部品代が3,000円前後+工賃が5,000円前後」というところでしょう。合わせても1万円前後の出費というケースが多いはずなので、エンジンが深刻なダメージを負って手遅れになる前に一度相談してみたほうがいいと思います。

 

サーモスタットが壊れる原因と対策

サーモスタットの故障の原因は、そのほとんどが経年劣化です。

 

走行距離が多くなったり、年式が古くなってくれば当然故障も起きやすくなりますが、どちらかというと、年式が古くなっているクルマのほうがゴム類の劣化も進むので注意が必要かもしれません。

 

部品がシンプルなこともあり、とくに国産車の場合は、例えば走行距離10万kmを超えていても年式が新しければそれほど心配することもないでしょう。

 

エンジンルーム

 

とはいえ、すごくシンプルな部品ではあってもクルマにとっては命綱のような大切な部品です。

 

もしサーモスタットの故障が原因でオーバーヒートにでもなってエンジンが壊れたら・・・、修理代が多額になるだけでなく、最悪の場合は廃車にしなければいけないようなことにもなります。

 

なので、できれば登録から10年が超えている場合は、何かの修理の機会があればそのタイミングに合わせて交換してもらったほうがいいかもしれませんね。せめて車検のときには、車検を出すお店に相談してみましょう。